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絶歌、読了①

元少年Aによる、絶歌を読んだ。

この本が発売されるにあたって、あまりにも大きな反響があるのは目に見えていたし、自分自身も「これを買うことで少年Aに金を与える社会などでいいのか?」とも思った。

が、この事件は発生当初から興味深い事件だったし、「この子を産んで」も、被害者側の手記も全て読んでいた俺にとっては、本当に待ちわびた本とも言えた。
好奇心に良識が負けて、買った、というところ。
世間が買った動機と変わらないかもしれない。


そもそも、どういう文面が来るのか、購入前から気になっていた。

1 あまりに陳腐な厨二病?
2 心から謝罪した内容?
3 サイコパスすぎて理解できない内容?

期待としては1と2の間だったかな。
厨二病よりは奥深く、反省もしているのでは、というところ。期待はほぼあたったと思う。いや、謝罪がかなり伝わった内容だったかな。
3は最初からないだろうと思ってた。事件が起きた時から、なぜだろう、少年Aをサイコパスには思えなかった。(注 当時サイコパスという言葉は日本で主流ではなかったけども)
「ただただトチ狂った人間」には、なぜか思えなかった。

誰でも通るとは思う「厨二病」。黒歴史、って言葉でもいいかもしれない。
その最も引き伸ばした、そして実行した、そんな何かを受け取ってたのかもしれない。
彼の犯行声明文にあった、「色のない自分」。あれが全てを表していた。

あの当時、時代が何か歪んでいたのは肌で感じていた。
バブルが崩壊して、オウムが現れ、エヴァンゲリオンが流行って、心の何処かが歪み始めていた時代。
そんな中で起きた、なぜか必然性があったような気持ちさえある。

俺もまだ十代で、彼の「色のない」という言葉に共感していた。
だからこそ俺は、絵を描いたり、音楽をしたりしていたんだってもわかってた。
少年Aは、その表現方法が、殺人であり死体の見せしめ(というかパフォーマンスか)だったんじゃないか、と。


彼の文面の最初に出てくる、スクールカーストの最下層の、顔のない人間。
そしてその顔のない者が、顔を持とうとした。

どうだろう?
そういうところ、共感出来る人はたくさんいるんじゃないだろうか。
スクールカーストの最下層、と彼は言ってるが、多くの人がスクールカースト最下層みたいなもので、上層の目立つ人間なんて、むしろ少ないだろ?
目立った人なんて何人いた?成績優秀者、モテるやつ、バンドマン、運動上手。数えたってそれ程いないだろ?こう見ていけば、最下層なんて5割以上じゃないか。
その5割が、同じ気持ちの共有をしていて、おかしくないと思うんだが。

「だからといってあんな酷い事件は起こすわけない」、というのが当たり前の心情なのだろうけど。けれど映画や漫画ではスーパーヒーローが活躍して、それにみんな憧れる。教師は「個性、個性」と押し付ける。
そんな夢想を描かせた、しわ寄せが発生したんじゃないか。
そのしわに、誰も気が付かないのか?それを悪と決め付けるのか?

少年Aについて、都立大准教授の宮台が書いた文面で、面白いものがあった。
「この地域は綺麗過ぎるニュータウンで、自販機すらない。そんな作られたきれいなハコの中で、少年Aは息抜きの歪みを作った」――。子供時代、秘密基地を作ったような、そんな心理に似てる気がする。
興味深いことに、「個性」の「しわ寄せ」となった少年Aは、綺麗なニュータウンのなかで「しわ」となったわけだ。


一方。香山リカが「少年Aはサイコパス」だと記事をだした。(もっと厳密に色々言ってるけども。ただし中身がなく専門家ぶっただけの文面だった)
俺は彼をサイコパスとは思えず、むしろクラスに普通にいた少年に感じた。なんかのキッカケがあれば、話もしてウマがあった可能性すらも感じた。


少年Aの文面は、時折、引用を出したり、横文字をやたら使ったり、背伸びとか陶酔も感じざるをえない点もあった。けれど、文章全部を読むと、それは彼が読んできた本の影響であり、陶酔する感じはそもそもそういう人間だから事件を起こしたわけとも言えるし、それ程気にはならなかった。
「GODLESS NIGHT」には笑ったけど。厨二でも使うのをためらうわ。しかも、淳君殺害時のタイトルに使うべきじゃない。

ただ、彼の見た「風景」や、あらゆる側面での「心情」は、共感どころか俺も同じものを見てる、と感じた。だから事件当初から俺は追ってきたんだな、そうも思った。

「面白さ」という表現で言っちゃいけないが、淳君殺害からそれを校門に置くまでの文面は、リアリティのある、疾走感を感じた。映像がグイグイ浮かんで、読む手が震えた。


…褒めてはいけないよな。
けれど、何度も書いてしまうが、共感をずっと感じてたのは事実だった。なんでだろう、涙が出たところもあった。
彼を表現する際に、「ドス黒い」という言い方をすれば容易いが、俺には「群青よりも深いブルー」に見えた。

彼は「水のきらめき」や、「月の満ち欠け」や、「不意に香る風」がわかる人間だと思う。
それを容易くサイコパスとか狂人とかで締めくくっていいのだろうか。
いや、そう決めつけないと、ダメなのかもしれない。
徹底して「悪」と言わない限り、犯罪者の救いとなってしまう。

けれど、俺には彼の景色にある、「群青よりも深いブルー」を共感していた。




読後なので、まざまざと感想を書いた。
次は被害者側の気持ちや、逆に共感できなかった部分も感想として書きたい。
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ミサキ糖

Author:ミサキ糖
サークルMISAKIX MEGAMIXにて、エロ担当の漫画家です。

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